ubuntu natty(11.04) 日本語環境での文字入力のための設定

Acer AspireOne AO753にUSBメモリからUbuntu nattyを入れる - ラシウラでAO753にいれたubuntu natty(amd64)をいれたけど、ここにはAO753関係のことだけ記述しました。

以下はハードに依存しない部分での、nattyで行った個人向けの設定です。デスクトップはUnity日本語環境で、そこでの文字入力における難点を解決しています。

  • 64bit版 flashplayerとfirefox上のflashでのASCII入力を可能にする設定
  • ibus-mozcと変換/無変換によるIMのON/OFF設定
  • ibusのトグルをCtrl+Alt+Shift+スペースキーに変える
  • F10によるメニューへのフォーカス移動の抑制
  • ibus-elによるemacs上でibus入力を可能にする設定

システムのアップデートを妨害しないよう、カスタマイズを最小化するポリシーの上で、日本語環境での文字入力の難点の解消を行っています。

64bit版 flashplayerとfirefox上のflashでのASCII入力を可能にする設定

amd64上での32版flashplayerは文字入力に難があります。64版flashplayerではありませんでした。
https://launchpad.net/~sevenmachines/+archive/flashのppaを使いました。

ルートで、

# add-apt-repository ppa:sevenmachines/flash 
# apt-get update
# apt-get install flashplugin64-installer
現状のfirefox上で、flash上の文字入力をできるようにする

パッケージをいれただけではfirefoxflashでは、ibusで入力できてもASCII入力ができません。以下、その対策です。

firefoxの"about:config"を開き、右クリックのメニューから"新規作成"-"真偽値"を選び、

  • "設定名"をdom.ipc.plugins.enabled.libflashplayer.so、 値をfalse

で作ります。
firefoxを再起動させればASCII入力もできるようになります。

(目玉のプロセス分離を無効にしてしまうので、将来不要になることを期待します)

ibus-mozcと変換/無変換によるIMのON/OFF設定

ibus-mozcのインストール
# apt-get install ibus-mozc mozc-utils-gui ibus-qt4
ibus-mozcの設定

左上のキーボードアイコンの右クリックメニューから"設定"でibus設定ダイアログを開きます。

  • "一般"タブ: "言語パネルの表示"のドロップダウンリストを常に表示するに変えます。
    • "切り替え"で、"..."ボタンを押しダイアログを開き、"Control-space"を選び、"モディファイア"チェックボックス"Control"、"Shift"、"Alt"にチェックを入れ、"適用"ボタンを押す。
  • "インプットメソッド"タブ: "インプットメソッドの選択"ドロップダウンリストで"日本語"-Mozcを選び、"追加"ボタンを押します。リストから"日本語 - Anthy"を選び、"削除"ボタンを押します。
  • (オプション) "詳細"タブ: "すべてのアプリケーション間で同じインプットメソッドを共有する"にチェックを入れる。

ダイアログを閉じ、再び左上のキーボードアイコンの右クリックメニューから"再起動"を選べば、全角半角キーもしくはCtrl+Alt+Shift+スペースキーでmozcが立ち上がり、画面上にMozcのバーが表示されます。

変換キー/無変換キーでのインプットメソッドのOn/Offを可能にする

(mac上のことえり風のOn/Off設定です。ただし、ibus自体は立ち上げたままであり、ASCIIモードと平仮名モードを切り替えるようになります。そのため、"すべてのアプリケーション間で同じインプットメソッドを共有する"によって、各ウインドウ上で最初からibusはonの状態になるようにしています)

その言語バー上で、スパナアイコンをクリックし、"Property"を選べば、Mozcプロパティダイアログが開きます。そこから"一般"タブ、キー設定の"キー設定の選択"で、"カスタム"を選び"編集"ボタンを押し、"Mozcキー設定"ダイアログを開きます。

"編集"ドロップダウンから、"定義済みのキーマップからインポート"-"ことえり"(もしくは"MS-IME")を選びます。
そのあとで再び"編集"から"エクスポート"を選び、適当な"名前"(例: mozc.cfg)を付けて"保存"します。

保存したファイルに以下の2行を追加して上書き保存します。

DirectInput	Henkan	IMEOn
Precomposition	MuHenkan	IMEOff

ファイル編集後、"Mozcキー設定"ダイアログの"編集"から"インポート"を選び、上書きOK?の警告がでるのをスルーし、編集したファイルを開き、読み込ませます。読み込んだら"OK"ボタンダイアログを閉じていきます。

この後、ibus起動中は、"変換"キーでひらがな入力モード、"無変換"キーでASCII入力モードになります(ログイン後に初回だけは、Ctrl+スペースによるibus起動は必要)。

F10によるメニューへのフォーカス移動の抑制

ASCII化キーとしてのF10を使う場合、UnityがF10キーをとってしまうのを避ける必要があります。

# apt-get install compizconfig-settings-manager

"ccsm"コマンドがインストールされます。

ccsmを起動するとダイアログがでます。"デスクトップ"部の"Ubuntu Unity Plugin"をクリックします。"Key to open the first panel menu"が"F10"になっています。このボタンをクリックし、開いたダイアログで"Shift"を押し、"OK"すれば、ボタンが"F10"となります。

最ログインしたあとは、F10キーでメニューにフォーカスが行かなくなります。

ibus-elによるemacs上でibus入力を可能にする設定

emacsのインストール
# apt-get install emacs

GUIemacsはデフォルトでibusが効かないようで、その対策としてibus.el in Launchpadをいれ、設定をします。

ibus-elのインストール
# add-apt-repository ppa:irie/elisp
# apt-get update
# apt-get install ibus-el
ibus.elの有効化

まず、~/.Xresourcesファイルを以下の内容で保存し、再ログインします。

Emacs*useXIM: false

次に~/.emacsで以下の記述を先頭にいれます。

(require 'ibus)
(add-hook 'after-init-hook 'ibus-mode-on)
(ibus-define-common-key [?\C-\s ?\C-/] nil)
(setq ibus-cursor-color '("red" . "blue"))
(global-set-key [?\C-\M-\S- ] 'ibus-toggle)

これによって、emacs上でも他と同じようにibus入力が機能します。

その他.emacsに書いている基本設定
(setq x-select-enable-clipboard t)
(setq interprogram-paste-function 'x-cut-buffer-or-selection-value)

(setq inhibit-startup-message t)
(setq indent-tabs-mode nil)
(setq make-backup-files nil)
(column-number-mode t)

(cua-mode t)
(setq dabbrev-case-fold-search t)
(setq dabbrev-case-replace t)

(require 'font-lock)
(global-font-lock-mode t)

一番上の2行はemacs上でデスクトップクリップボードを使ったコピーペーストを可能にするものです。

おまけ: gcc-4.6のppa

gccgoが統合されたgcc4.6のppaは、Toolchain test builds : “PPA for Ubuntu Toolchain Uploads (restricted)” teamにあります。

# add-apt-repository ppa:ubuntu-toolchain-r/test
# apt-get update
# apt-get dist-upgrade

あとはaptitude等でgcc4.6系パッケージを選んでいけばよいでしょう。