脱オブジェクト指向のススメについて

よくある話。争点は「役に立つ」の設定だろうか。誰にいつどういう役に立つか考えるべき。オブジェクト指向の概念は、記号分けや構築方法の枠組みを提供しているもののひとつだ。だから、オブジェクト指向○○=即、課題解決でないことも、専門学校へ行ったところで基礎が身につく、となるわけではない。しかし万能でない(というのは当然なのだが)からといって、単に役に立たないというのはまた別だろう。


コードを書くというのは、プログラミングスキルをあげるのには大前提に近いものがある。けど単に書くだけじゃダメだろう。他人のコードを読んだり、比較したり、検討したりすることが必要だ。しかし、プログラミングに問題のある人というのは、往々にしてこの素材というか情報というかを入手選別するスキル(手持ちのリソースも含めて)が乏しい場合が多く、それが結構致命的な差だったりする。問題はオブジェクトうんぬんとは別にあるのは確かだけど、頭からそういうのではなくて、この状況でそうであることを判断できるような情報の得方(単に検索のしかたでもいいけど)を提供することじゃないのだろうか。


あと、「きっちりとした仕様書を書く訓練や、他の開発者とのコミュニケーションスキルをUPした方がずっと実務的」とかいっているけど、逆にその辺に問題があるからオブジェクト指向に活路を求めるんじゃないのだろうか。むしろそういう環境が作るのが困難であることがわかってしまったから、オブジェクト指向〜になったのではないんじゃないかと思う。仕様書は単なるプログラムのあいまい化だったり、コミュニケーションとろうとした結果、モチベーションが下がる対応しかされないとか。


オブジェクト指向を学びたい、というのは当人にとって悪くみえる環境を変えたいきっかけなんじゃないだろうか。社長からして、学びたいことをやめさせたい雰囲気があるのであれば、部下はより具体的にそういう傾向になってもおかしくはない。学びたい人にはそういう環境に合わないというのは自然だし。